名前だけ見るとギョッとするこのレシピ、イタリア発・日本でバズっている「暗殺者のパスタ」。
フライパンで乾麺を揚げ焼きのように焦がし、トマト出汁で煮詰めて仕上げる調理方法が独特で注目されています。
作り方だけじゃなくて、その味も超インパクト大。トマトの旨味がぎゅっと詰まっていて、焦がすからこそ感じられる香ばしさが病みつきになる一皿!
発祥の地イタリアでも、そして日本でも、出回っている作り方は様々。
いくつかある「暗殺者のパスタ」の作り方の中で、特に「トマトペースト」と「トマトピューレ」を使ったレシピがかなり美味しいと気がつきました。
市販の「トマトペースト」と「トマトピューレ」でももちろんOKなのですが、せっかくなので今回は、「トマト缶で手作りしたトマトペーストとトマトピューレを使った、暗殺者のパスタ」を紹介しマス。
先に「暗殺者のパスタ」のレシピから紹介します。
★「トマトペースト」と「トマトピューレ」の手作りにも挑戦する場合は、ぜひ記事の最後まで読み進めていただけると嬉しいです。
『家にある食材だけで作れる』かつ、『ちょっと本格派・ワンランク上の濃厚さ』をポイントにしたレシピになりました。
【材料はシンプル】
・トマトピューレ:75〜100g
・トマトペースト:35g~40g
・オリーブオイル:大さじ3杯
・にんにくスライ:1片分
・刻んだ乾燥唐辛子:好みの量
・塩:小さじ1/2杯
・スパゲッティ:80〜100g
*1.7mm/ゆで時間8分のものを使いました
・水:500〜800ml
*パスタの太さや好みの粘土で調節してください
出回っている作り方には、手順や材料は様々なバリエーションが溢れています。
ベースとなるトマトの選び方だと、
- トマトペーストとトマトピューレで作る
- トマト缶で作る
- トマトジュースで作る
- チャップで作る
- 生のトマトで作る
- 前日に残ったトマトパスタをリメイクして作る?!
・・・こんな感じでいくつかアイデアがあるのですが、今回は「トマトペースト」と「トマトピューレ」を使うことを前提にしたレシピです。
そもそも「暗殺者のパスタ」って何?
今日本でバズっているイタリア発祥のレシピ、「暗殺者のパスタ」。
このレシピ名の由来は、諸説あると言われている。
発祥の地は、イタリア プーリア州の州都・バーリにあるレストラン。
オーナーシェフがこのパスタを作ったところ、こんな声が上がったとか。
- 辛すぎる!殺す気か!(たくさん入っている唐辛子のあまりの辛さにその名がついた説)
- 美味しすぎる!オーナーは殺人者か!(美味しすぎるがゆえの表現としてその名がついた説)
- まるでここは….(調理するときにトマトが飛び散る光景がまるで殺人現場のようでその名がついた説)
個人的には、一部の地域を除き「甘党」と言われてるイタリア人が思わず辛さに驚いた説がしっくりくる気がしますが、真の由来はよくわからないそう。
▼①:オリーブオイルにニンニクと唐辛子を入れて温めながら、香りづけする
- ニンニクをスライスする
- 生の唐辛子やホールの唐辛子を使う場合は、輪切りにしておく(輪切りされた鷹の爪はそのまま入れればOK)
- フライパンにオリーブオイルを入れ、1.2.を入れてから弱火にし、きつね色になるまで熱していく
★ニンニクと唐辛子は、きつね色になったらよけておく(焦げると苦くなるので)
★最後パスタのトッピングとしても使えるので、お好きな方は捨てずに取っておいてネ
▼②:①のオイルでトマトペーストを炒め、パスタを入れたら揚げ焼きするように「焦がす」
- ①のフライパンに、トマトペーストを入れて炒める
- パスタを入れ、炒めたペーストを馴染ませながらパスタを広げる
- 強火にしたら、焦げ目がつくようにしばらく触らない!
- 片面に焼き目がついたら裏返して、反対も焼き目をつける
★ここで香ばしくペーストを炒め、パスタを焦がすのがかなりポイントになってきマス
「暗殺者のパスタ」最大のポイントは、パスタを香ばしく焦がすこと。
もちろん真っ黒焦げになるのはよろしくないのですが、少し黒くなるぐらいはむしろOK。
あとでピューレと水を加えて膨らませていくので、結果的にパスタの焦げたところは柔らかくなります。
ここで香ばしさをある程度つけないとボヤッとした味になってしまうので、写真のようにしっかり目に焼き付けてください。
「トマトペースト」は、生のトマトを約6倍ほどに濃縮したペーストで、料理にトマトの旨味や甘味を倍増させる調味料。
煮込み料理やスープにも使えるトマトペーストですが、<オリーブオイルでトマトペーストを炒める>という使い方がかなり美味しいので、パスタ料理に応用しているというわけなのデス。
▼③:ピューレを加え、さらにトマトの旨味を凝縮させながらパスタに味を吸わせていく
- ピューレを入れ、パスタ全体にまとわせるように広げる
- 焦げ付きやすいのでパスタを返しながら、煮詰めて濃縮させていく
★強火でしっかり焦がすと良いのですが、心配な場合は焦らず中火でじっくり育てましょう
加水前なのでまだ麺はパキッと感がある状態。
▼④:加水して、濃縮されたトマト出汁たっぷりのスープを吸わせていく
- ピューレが全体に回ったら150ccほどお水を入れる
- 水分が飛んだら、さらに加水して煮詰めパスタを膨らませていく
★材料に書いた水の量は目安なので、麺の種類や好みの硬さで、加減すると良きデス
★しばらくすると、バリっと硬かったパスタに水分が入り、とろみが出てふやけてきます
美味しい証拠なのでご安心を。
▼⑤:パスタとトマトが十分絡んで水気が飛んだら、塩で味を整えて完成
- ④で入れた水分が飛んで煮詰まったら、塩を加えて味見
- 香り出しに使ったニンニクチップや唐辛子を加えても◎(オイルに移っている香りに加え、素材からもまた香ばしさがプラスされるので)
- 盛り付けて完成!
★一度取り出しておいたニンニクも唐辛子も、絡めることでソースを含み柔らかくなりマス
【恐ろしい名前から想像できない美味しさ】濃縮されたトマトの旨味と香ばしいお焦げパスタがやみつき
味の感想は、
「超濃厚、トマトぎゅーん!」
しっかりと炒めたトマトペーストのコク、
煮詰めて濃縮したトマトピューレの甘味、
揚げ焼きのように焦がしたパスタの香ばしさ、
すべてがこの一皿にぎゅぎゅっと詰まっている。
唐辛子のピリッとした辛味もアクセントになってます。辛さの加減はお好みで。
トマトの甘味が際立つので辛さが苦手じゃない場合はしっかり目でいいかなと思います。
ニンニクの風味も素朴な味わいを引き締めてくれて、とてもいいバランス。
乾麺のパスタは特に、「たっぷり沸かしたお湯で茹でる」手順がセオリーとして浸透しているから、きっとこの作り方が未体験の人は驚くはず。
本当にパスタに火が入るの?茹でられるの?と疑問に思うかもしれませんが、
安心してください、火、入りますヨ。
「暗殺者のパスタ」を知る前、無意識でしたが『フライパンの中でパスタを煮詰める(茹でる)』という作り方をワタシもやっていたことに気づきました。
例えば、フライパンでオリーブオイルでベーコンやトマトなどの具材を炒め、そこへトマト缶だったりブイヨンなど味のベースになる素材を入れ、パスタを乾麺のまま投入して水を足しながら煮詰める。
こんな感じで、実はパスタって「寸胴鍋に大量のお湯を用意しないと調理できない!」なんてことはないんですよね。レンジで簡単にパスタを調理できるシリコン製の容器がありますがまさに調理法は似たような感じで、必要最低限の水分で調理することが可能。
「暗殺者のパスタ」は、この調理方法プラス、最初パスタを”焦がす”ところも独特。トマトベース以外にも、ペペロンチーノだったりボンゴレだったり、香ばしさを足すと美味しさUPするパスタメニューに応用することができちゃう。
【トマト缶だけあればいい】トマトピューレとトマトペーストの作り方
材料はこれまたシンプル。
▼材料
– トマト缶:1つ
*カットタイプとホールタイプ、動画ではどちらの作り方も紹介してマス
– オリーブオイル:大さじ1〜2
– 塩:小さじ2
*味の軽い油で煮詰めれば、あっさりした料理(和食や中華など)にも使えるのでおすすめ
(例:トマトおでん、トマト鍋、卵とトマトの炒め物、サンラータンなど)
▼出来上がり量の目安はこんな感じ
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■カットトマト1缶(※固形240g/総量400g)から、
・150gのピューレ
・70gのペースト
■ホールトマト1缶(※固形240g/総量400g)から、
・123.5gのピューレ
・91.5gのペースト
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★Amazonで「120g/1250円」というペーストがあった
仮に、120gほどペーストを作っても、缶詰であれば200円〜400円程度で作れてしまう計算…!
■トマト缶のまま保存しておくより、濃厚かつ旨味がUPしたピューレ&ペーストを仕込んでおく方が調理も時短
トマト缶が家にあると何かと便利。スープに使ったり煮込み料理に使ったり….。
ただ、水分量が多いがゆえにボヤッとした味になったりして塩加減が難しかったり、トマトの甘みをグッと引き立たせるまでに煮込みが必要だったり。
そんな悩みがもしあれば、時間があるときにトマトピューレとトマトペーストを仕込んでしまいましょう。
簡単に言えば、
・鍋で水分を飛ばしながら煮詰め、漉してピューレにする
・漉して出た果肉部分の水分をさらに飛ばしてペーストにする
この2工程だけ。
仕込んで保存瓶に入れておいたり、ジップロックに入れて冷凍ストックしておくだけで、濃縮されたトマトの旨味をすぐさま料理に還元できちゃいます。
・カレーのコク出しに
・煮込み料理に
・簡単ピザトーストに
などなどアレンジは様々。
例えば、トマト缶と一緒にすりおろした玉ねぎを煮詰めて甘みや風味を足してもいいし、香辛料やハーブを加えてオリジナルのピューレやペーストを手作りしてもいいですね。
ちなみに写真で使っている保存容器は、ドイツ生まれの「WECK」という耐熱瓶。
これ、蓋をして、手順に沿って煮沸すれば「密閉」できる優れもの。ジャムなど手作りした場合はこんな容器でストックするとテンション上がりますね。