イタリア・古代ローマでは、「ガルム」と呼ばれる魚醤が作られていました。
小魚の内臓に塩を加え、発酵させて液体の調味料にしたものです。
【材料:2人分】:ガルムの風味を活かした、トマトベースのシンプルパスタ
- トマト:生のミニトマトを10〜15個
- アスパラ:2〜3本
- ズッキーニ:1/2〜1本
- アンチョビ:2きれ
- ガルム:大さじ2(コラトゥーラでもOK)
- にんにく:1/2かけ(ペーストも可)
- レモン:皮を使うので無農薬だとベスト
- パスタ ★「スパゲッティーニ」がおすすめ
- オリーブオイル
- 塩
魚醤「ガルム」と「コラトゥーラ」
「ガルム」は古代ローマ時代にうまれた調味料。
この製法に習った魚醤としては、イタリア・アマルフィ海岸で今もよく食べられる「コラトゥーラ」にその名残をみせています。
マグロ・カツオ・サバといった魚の内臓を発酵してつくるガルムの製法から派生し、コラトゥーラは『いわしの塩漬け』をつくる過程でうまれたもの。
樽にびっしりといわしを積み重ね、層ごとに塩を振りかけて漬けていきます。
良い頃合いになると、樽の底に穴を開け、『いわしの旨味がたっぷり詰まったエキス』を取り出します。
このとき出てくるエキスこそ、コラトゥーラ。
イタリアンな魚醤を「どんな味かな?」程度に試したいときは、カルディで買える『イタリア風』魚醤のアッラ・ガルムがおすすめ。
こちらは日本の国産いわしで作った『日本人でも美味しく食べれるイタリア風魚醤』で、4手頃なお値段で試しやすい。
▼作り方①:食材をカットする
スライサーで薄くしていきます。
パスタを巻いたときにくるくる〜と絡まりが良く、平麺のような食べ応えで満足度も高まること間違いなし。
スライスしたズッキーニには、軽く塩を振ってサッと揉みます。
ほどよく独特の食感も残るのでお楽しみに。
ハーフカットにしていきます。缶詰めよりも生のトマトが断然おすすめ。
皮が硬いトマトはあらかじめ取り除くといいですが、個人的には皮も好きなので気にせずそのまま使います。
パスタにするなら、赤みが強くて濃厚なトマトが理想的。
- にんにくは細かくみじん切りに、アスパラは4.5cmにカット
太めのアスパラを使う場合は、斜めにカットして繊維が断ち切れるようにしておきましょう。
▼作り方②:具材を炒めてトマトソースを作る
フライパンやミルクパンに、トマトソースを作っていきます(このときにもうパスタ茹で始めててOK)。
オリーブオイルをしき、アンチョビフィレとにんにくを入れて香りを出しながら火を入れ、カットしたアスパラを先に炒めます。
焦げないタイミングっていつ?!と言われることもあるので、逆説的ワンポイントアドバイス。
「トマト入れたら水分で焦げなくなる」ので、焦げそうかもと思ったらトマト入れてください。笑
トマトが入ったらしばらくコトコト。
トマトの形が崩れるくらい。
皮が浮いてくるので、食感苦手な場合は皮はここでも取れます。
栄養は、皮と実の間からもしっかり摂りたいですもの。
ズッキーニをスライスしていくと、芯の部分が残ってしまいがち。
そうしたら、カットして具材にしちゃいましょう。
▼作り方③:パスタを茹でる
たっぷりのお湯にオリーブオイルと塩を入れて茹でます。
表示時間よりも3分ほど早めにあげるのを目指して。
▼作り方④:トマトソースとパスタを合わせる
パスタの茹で汁は、絡めるときに使うのでまだ捨てないように。
トマトソースとパスタを合わせ馴染ませながら仕上げていきます。このタイミングでスライスしたズッキーニも一緒に絡めていきます。
茹で上がってから合わせるとクッタクタになっちゃう。
パスタの茹で汁で、ソースの塩味と濃度を調整します。
トマトソースが煮詰まって水分が足りない場合は、パスタの茹で汁を足しながら調整しましょう。
完成!:ガルムの香りを楽しもう
お皿に持ったら、仕上げにレモンの皮をおろしてかければ完成。
さあ、仕上げにガルム(コラトゥーラ)を垂らしましょう。
魚醤[ガルム・コラトゥーラ]で和食も美味しく
なにかと使える魚醤、パスタのほかにも、ちょっと旨味をプラスしたいときのお助け調味料です。
- イカ刺しと生卵を魚醤で和えて「イカユッケ」
- シンプルなピザにたらっとかけて
ワタシのおすすめは、ボタンエビのお刺身にアッラ・ガルムをたらり。
- ガルム or コラトゥーラ
- 日本酒 もしくは 白ワイン
少しずつ垂らして3分ほど置いて味を漬け込みましょう。
ボタンエビの口当たりがまろやかになって、濃厚な美味しさ。
常備調味料に仲間入りさせれば、確実におうちごはんが豊かになりますよ。
「アルデンテこそが良いパスタ」、は間違い?
日本人が持つパスタの常識、「茹で加減はアルデンテ」。
これは、本場イタリアやヨーロッパから持ち込まれた『正しい常識』なのでしょうか。
「アルデンテ」は、パスタの茹で加減であり『調理法・調理状態』。
アルデンテのパスタこそが良し、というよりも、
茹でたパスタをソースに絡めたり仕上げるまでの時間で火が通り過ぎないようにするために、早めに茹で上げて仕上げで調整しましょうねの目安ってこと。
例えばワタシが驚いたのは、「地元では老舗の名店だ」と言われていたレストランで食べたパスタが、アルデンテではなく”よく茹で” だったこと。
日本のうどんでも、「コシを重視する地域」もあれば「柔らかく茹でるのがうまい」とする地域もありますね。あんな感じ。
あとは「アルデンテ=パスタの芯が残っている状態」ということだから、『硬いまませかせか出すなんてなんて失礼なっ』と思う人もいるのだとか。
じゃあしっかり茹でれば茹でるだけいいのかというと、『茹で過ぎるとでんぷんが溶け出て消化に悪い』と言われるため歓迎されません。
芯を若干残すくらいで早めに茹であげて、仕上げは余熱で芯まで火を通す、これが美味しく仕上げるポイントですね。
今回ご紹介したガラム・コラトゥーラ、本場では『茹でたパスタにオイルと一緒に和えるだけ』の簡単な食べ方が好まれています。
豪華な具材がなくても、たらりと垂らすだけでパスタを劇的に美味しくしてくれる魔法のエキス。
ピザに少し垂らすのもオススメ!