さて、本日は、中野に本店を構える「青葉」さんにフォーカス。
ラーメン好きにはよく知られた名店ですが、ぜひ「ラーメンをなかなか食べに行かないなぁ」という方にこそおすすめしたい素朴な一杯。
創業1996年・20周年を越えた今、改めて「青葉」を振り返る
「青葉」さんは、店主の「中華そば本来の味を提供したい」との想いから、1996年に創業。
2006年に20周年を迎えています。
店名の「青葉」には、店主の2つ想いが込められているそうです。
- 一つは、ふるさと仙台のイメージ
- もう一つは、「これから伸びゆく、繁れる」という日本的で新鮮な響きが気に入ったから
仙台には「青葉区」がありますもんね。
そして青々とした新芽のイメージ・・・
ラーメン屋さんでありながらどこか爽やかで清潔感と凛々しさのあるネーミング
店主が、ふるさと・仙台で子供の頃によく食べていたラーメンとは、「屋台のラーメン屋さん」なのだそうで。
ラーメンは「屋台」というシチュエーションで食べる”大衆感”にあふれたものであり、そして大衆的な食べ物「ラーメン」を食べるのであればそれはやはり「屋台」なんだ・・・
という想いから、「青葉」さんの店内は程よいキャパシティのカウンター席。
今となっては中野本店のみならず、20店舗以上も展開していますが、「青葉」さんはどこも素朴なカウンター席と「屋台の雰囲気」を味わえる空間を大事にされています。
「青葉」で必ず食べるべき一杯とは?
「青葉」さんのお品書きの中で、ど直球にして必ず食べていただきたいものが「中華そば」。
「青葉」さんのお品書きは、シンプルなラインナップとなっています。
- 中華そば
- 特製中華そば
- つけ麺
- 特製つけ麺
ラーメン店の多くは、「うちではこれを食べて欲しい!」というメニューが存在しているものですが、「青葉」さんでは「中華そば」がそれにあたります。
特製との違いはなんなのかも含めてご紹介していきますね。
(「つけ麺」・「特製つけ麺」についてはまた今度)
青葉といえば、「中華そば」
*お値段が店舗によって異なりますが、780円でいただきました
こちらが、「青葉」さんの「中華そば」です。
見た目にも特徴的なのは、スープに浮かぶ『コラーゲン』、そしてすする前からコクを想像させるスープの濃厚な茶色。
「中華そば」のトッピングはこちら
- 豚チャーシュー:”塩豚”と表現したくなるシンプルな煮豚はホロリと柔らかい
- のり:1枚だけど、のりってキーマン
- メンマ:かなり肉厚で5.6cmはあろうかと!5本は入ってます
- なると:程よい柔らかさでお魚の風味を味わえる影のお楽しみ
- 青ネギ:輪切りで散らしてあります
かなりシンプルなんですけど、”必要なものだけ、あとは削ぎ落とした”とも言えるし、逆に「780円でこんな乗ってる!」という満足感をたっぷり与えてくれるラインナップにも感じる。
とにかく、「中華そば」という名前とジャブ感をゆうに越えてきます。
中華そばのトッピングを豪華に・・・「特製中華そば」
ジャン。
トッピングの量と種類が増えたものが、「特製中華そば」
「特製中華そば」のトッピングはこちら
- 味付け卵:超半熟とまではいかぬけれど柔らかな黄身、”白身の旨味(ワタシ白身の味好き)”が生き残っている味玉が1個分
- 豚チャーシュー:「中華そば」には1枚だったチャーシューが3枚に増量
- のり:1枚をキープ・・・
- メンマ:肉厚メンマも増量
- なると:「中華そば」同様
- 青ネギ:「中華そば」同様
青葉のメニューは、「中華そば」「特製中華そば」「つけ麺」「特製つけ麺」の4種類だけです。
「チャーシュー麺」も「メンマラーメン」「味玉ラーメン」もありません。
「特製」というのは、チャーシュー、メンマを増量し、味付卵を加えたメニューです。
当店では、お客様のニーズを考えた結果、「色々な具材を楽しみたい」「適切な量」「妥当な価格」のバランスを考え、「特製」というメニューを考案しました。/ 中華そば「青葉」さんHPより
この「特製中華そば」は900円でいただきました。
いや、安い。
コラーゲンの海・豚骨臭さが苦手な人にこそおすすめ
ワタシが「青葉」さんの中華そばに魅了された最大のポイントは、「スープ」。
濃厚な動物系の脂を抜いて”コク”だけを残したスープと、魚介だしのガツンとくる旨味・・・。
間違いなく濃厚なのに、くどさが残る印象はなく、口に入れた瞬間のインパクトこそ”旨味こってり”と言っていいのに後味はスッキリ。
その秘密はこちらにありました。
青葉の中華そばは、「東京ラーメン」と「九州ラーメン」、両方の良さを取り入れたものです。
「東京ラーメン」は「香り高い和風だし」が魅力ですが、スープが淡泊すぎ、私にはもの足りなく思えました。
一方、「九州ラーメン」は「濃厚なコク」がありますが、私にはニオイや脂が強すぎるので苦手でした。
両方の良さを合わせることが出来ないか?そこで考えたのが「ダブルスープ」でした。
これは、「九州ラーメン」のトンコツ、鶏ガラといった「動物系スープ」から脂を分離し「コク」だけ残したスープと、それに負けないような濃い、かつお節、さば節、煮干しといった「魚系の和風スープ」。
この二つを別々に抽出し、丼で合わせたものです。
現在は、より安定した品質を守るため、丼で合わせる形ではありませんが、「ダブルスープ」のスタイルを守っています。/ 中華そば「青葉」さんHPより
ワタシ、東京の人間ではあるので、醤油系と言いますか”和風だし”の強い味には馴染みがあるものの、九州ラーメンも好きなんです。
九州に住んだことがあって。引っ越して初日、「くさ!!!」ってびっくりしたんです、それがトンコツだったという(九州の方ごめんなさい)
まだ小さい頃だったので、最初ものすごいびっくりして。
だって街が、トンコツ臭い。笑
いつしか慣れて大好きになりましたけどね!
「青葉」さんは、トンコツや鶏ガラの動物系の臭みや脂のギトギトさを取り除き、”コク”だけを凝縮してくれているので東京の人にもものすごく食べやすいのではないでしょうか。
そして何と言っても、このスープには”一般のラーメンの約3倍のゼラチン質”が含まれているという。
先述の通り、トンコツ、鶏ガラの”コク”を抽出したから実現しているスープ。
食べた時に、決してベトベトするわけではないけれど、とろみの効いた柔らかな口当たりが本当に優しい。
ゼラチン質豊富なスープは、濃厚な上、脂分や塩分を控えることができます。(塩分は、一般のラーメンの約3分の2です)
また、ゼラチン質は、美肌効果などで注目されているコラーゲンとほぼ同じもの(化粧品や食品に使用されているコラーゲンの大半は、豚から抽出したものです)なので、女性にもお勧めです。
とろみあるスープを絡める特製麺は、優しさの証
「青葉」さんの麺は、中華麺と一言で言ってはいけないスペシャル麺。
『うどんと中華麺の良さを併せ持った、お店のオリジナル』なのだそう。
中華麺のツルツルとした喉越しや歯切れを想像するだけではノンノン。
”うどんと中華麺の良さを併せ持った”という表現が本当にぴったりなんですが、「うどんがだしをまとって味を吸ってくれる」あの状態を保ちつつも、歯ごたえ・喉越し・噛み応えにもちゃんとインパクトと食べ進めやすさがある。
とろみスープをしっかりと包み込んでお口まで運んでくれるんですよね。
ほろりとほどける豚チャーシューは、あっぱれの一言
どんなラーメンの中でも、トッピングの中でひときわ目を惹く存在、それがチャシュー。
豚チャーシューのイメージってどんなものでしょうか、表面の味が濃くて、肉質はしっかりしててなんならパサっとしてて??・・・
「青葉」さんのチャーシューは、ワタシ、チャーシューってもはや呼んでいません。
なんだこのうまい「塩豚」は!ってことです。
いわゆる、”醤油ベースのタレで煮込んで漬け込んで、肉質硬めで噛み応えがあって、なんかパサついてて”・・・・みたいな、いわゆるチャーシューとは全然違うんですよ。
もう、箸でつかんだけでほろりとほどける。
”塩豚”と愛称をつけた理由は、本当にその味わいがシンプルであったが故。
ドイツのビールのお供の代表格でもある「アイスバイン」を思い出す味わいだったんですよね。
豚肉の味をシンプルに味わえるチャーシューで、単体で食べるよりも麺とスープを口に含んんだところに一緒に放り込むことで、スープの”コク”+肉質からくる”コク”を同時に浴びることができるので、ぜひ一緒に頬張って欲しいですね。
メンマもこんなに大きい。
メンマの食べ応えも半端ないです。
ぜひ、ぜひぜひぜひ、最寄りの「青葉」さんに足を運んでみてくださいね